プログラミング知識ゼロの私が、AIと会話していたら「業務アプリ」が完成してしまった話


土地家屋調査士の仕事は、現場での測量だけでなく、緻密な事務作業の積み重ねで成り立っています。

毎月のルーチンワーク、皆様はどのように処理されていますか?
私が担当している支部の役員会業務には、地味ながらも神経をすり減らす作業が存在しました。

  • カレンダーを見ながら開催日の「35日前」を指折り数える
  • 正副支部長にスケジュール確認をおこなう
  • 各担当部に役員会の提案議題を確認・収集する
  • 30日前の日付で招集通知のメールを送る
  • 出欠確認や懇親会の参加有無を確認する
  • 7日前の締め切りを確認し、リマインドを送る
  • これらを間違えないようにメール等の案内文を作る……

「これ、AIにやらせられないかな?」

そんな軽い気持ちで生成AI(Gemini)に話しかけたところ、たった数十分のチャットで、予想もしなかった「業務自動化アプリ」が出来上がってしまいました。もちろん、私はプログラマーではありません。コードは一行も書いていません。

今回は、プログラミング初心者の私が、生成AIをパートナーにして業務システムを作り上げた「共創」の記録をご紹介します。

ステップ1:「差し込み印刷」をお願いしたはずが……

最初は本当に単純な依頼でした。
WordやGoogleドキュメントの日付を毎回手動で書き換えるのが面倒だったので、「この日付、自動で差し込み印刷みたいにできない?」と聞いたのです。

AIの最初の提案は「Python(パイソン)」というプログラミング言語を使う方法でした。
「Python? 環境構築?」
正直、「いや、パソコンにそんな環境ないし、難しそう……」と戸惑いました。

そこで、素直にこう伝えました。
「もっと手軽に、Googleドキュメントとかだけで完結させたいんだ」

するとAIは「わかりました!」と即座に方向転換。Googleドキュメントに独自のメニューボタンを追加し、スプレッドシートの日付を読み込んで書き換える仕組み(Google Apps Script:GAS)を提案してくれました。

💡【気づき1】 方法が分からなくてもいい

私たちユーザーは「やり方(How)」を指定する必要はありません。「何がしたいか(What)」を伝えて、もし難しい提案が来たら「もっと簡単にして」と言えばいいのです。これがAI活用の第一歩でした。

ステップ2:エラーは「指示出し」のチャンス

意気揚々と動かしてみると、トラブル発生です。
日付が「2026/02/19 Thu」と英語表記になってしまったり、実行するたびにファイルが複製され、フォルダがゴミだらけになったり……。

以前の私ならここで「やっぱり無理か」と諦めていたかもしれません。でも、相手はAIです。
「日付と曜日は日本語(例:2月19日(木))にして」
「ファイルが勝手に増えないように、実行前に確認画面を出して」

そうチャットで伝えると、AIは文句ひとつ言わず、数秒でコードを修正してくれました。

💡【気づき2】 エラーは失敗じゃない

バグやエラーは「失敗」ではなく、「ここを直して」と伝えるためのフィードバック材料でした。対話すればするほど、ツールが私の業務にフィットするように研ぎ澄まされていきます。

ステップ3:欲が出て「アプリ化」へ

ドキュメントの書き換えは自動化できましたが、人間とは欲深いものです。
「いちいちスプレッドシートを開いて日付入力するのすら、面倒くさい……」

そこで、ダメ元で聞いてみました。
「これ、スマホから使えるWebアプリみたいにできない?」

AIの答えは「可能です!」。
そこからは怒涛の展開でした。

  • 「日程を入れたら、35日前・30日前・7日前の期限を全部自動計算して!」
  • 「その日付が入った『招集メール』『議案募集メール』『催促メール』の下書きも全部作って!」
  • 「会場予約サイトのID/PWも画面に出しておいて!」

私のワガママな要望を、AIは次々と画面(UI)に実装してくれました。
気づけば、単なる「書類作成ツール」が、「役員会スケジュール管理システム」へと進化していたのです。

ステップ4:そして「チームの資産」へ

最後にふと思いました。「これ、私が休んだら誰も使えないのでは?」
今のままでは、データが私の個人ドライブに保存されてしまいます。

「保存先を『共有フォルダ』にして。誰が使ってもそこに保存されるようにしたい」

AIにそう伝えて修正してもらったことで、このアプリは「私の便利ツール」から、「チーム全員が使える業務システム」になりました。

さらには「出欠確認フォーム」もボタン一つで自動生成できるようにし、そのURLが勝手にメール本文に埋め込まれる連携機能まで実装。
今では、URLを開いて日付を入れるだけ。
計算も、メール作成も、フォーム作成も、保存も。すべてワンクリックです。

まとめ:AIは「魔法の杖」ではなく「優秀な後輩」

今回、私はプログラミングコードを一行も書いていません。
やったことは、「業務の理想の流れ(こうなったらいいな)」を具体的に語っただけです。

  • 目的は途中で変わってもいい(印刷 → アプリへ)
  • 専門用語は不要(「変な動きをした」と言えば伝わる)
  • チーム視点を持つ(自分以外も使えるように)

「AIを使う」と身構える必要はありません。
「ねえ、この作業面倒なんだけど、どうにかならない?」と隣の席の優秀な後輩に話しかけるように、AIに相談してみてください。

きっと、あなたの想像を超える解決策を一緒に作ってくれるはずです。


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